成田凌&葵わかなW主演、古代から現代へ時空を超えた舞台『パンドラの鐘』シアターコクーンで上演中
舞台『パンドラの鐘』 撮影:引地信彦 成田凌&葵わかなW主演、古代から現代へ時空を超えた舞台『パンドラの鐘』がシアターコクーンで上演中だ。 1999年に蜷川幸雄の指名で野田秀樹が手掛けた戯曲『パンドラの鐘』。当時ともに世界の舞台で戦った日本の演劇界の二大巨頭、蜷川と野田によってBunkamuraシアターコクーンと世田谷パブリックシアターの二館で”同時期”に上演され同じ作品ながら全く違ったモチーフとアプローチで作品を創り上げ、俳優陣もそれぞれ勝村政信、堤真一等らが出演しその豪華出演陣対決も大きな話題を呼んだ。 その名作が23年ぶりにBunkamuraシアターコクーンにて再び上演される。今作が初の舞台出演にして初主演となる成田凌と、映像や舞台に幅広く活動する葵わかなのフレッシュな二人がダブル主演を務める。さらに、前田敦子、玉置玲央、大鶴佐助、柄本時生、片岡亀蔵、南果歩、白石加代子ら確かな演技力をもつ俳優陣が出演。 壮大なスケールに不思議な設定、突飛な展開。描いているのは”人の愚かさという普遍性”だと出演者の大鶴はコメントする。ユーモアもあり台詞の各所に日本語特有の言葉遊びも散りばめられている。 舞台『パンドラの鐘』 撮影:引地信彦 -賭けをしませんか。もしも女王様のおっぱいを服に触れず掴むことができたら俺の勝ちだ- 成田が葵の胸に手をかける衝撃の場面は見せ場の一つだ。 蜷川と野田の2人で演出をする話が持ち上がった当時、蜷川が”そのくらいのことをしなけりゃ、硬直した演劇界は面白くならねえんだよ”と口にしたという。その姿には演劇人としての「懐の深さ」と演出家としての「芯の勁さ(つよさ)」があったと野田は語る。日本の歴史のTABOOに真っ向から挑んだ衝撃作。現在を生きる人々へメッセージを伝えるべく、今回は二人の偉大な演劇人からバトンを受け取り新世代の演劇界を担う気鋭の若手演出家の杉原邦生が本作演出に挑む。 舞台『パンドラの鐘』 撮影:引地信彦 舞台『パンドラの鐘』 撮影:引地信彦 主演を務めるフレッシュな2人に加え、野田が『白石加代子を始めとし海千山千の「深く」「勁い(つよい)」役者ばかりだ』とコメントする豪華俳優陣の面々。 劇中でオズたちが古代王国を蘇らせる場面さながら、『パンドラの鐘』が再び現代に蘇る。 公演の詳細は公式サイトで。 https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_pandora/ (文・真来こはる)