【動画3分】井上芳雄ら和気あいあい、初日迎えた高揚感『ガイズ&ドールズ』が開幕/帝国劇場で7月9日まで
ミュージカル『ガイズ&ドールズ』囲み取材 井上芳雄ら和気あいあい、初日迎えた高揚感『ガイズ&ドールズ』が開幕/帝国劇場で7月9日まで 6月9日(木)帝国劇場にて開幕したミュージカル『ガイズ&ドールズ』。 8日に公開ゲネプロ、初日9日には囲み取材が行われ、井上芳雄、明日海りお、浦井健治、望海風斗、演出のマイケル・アーデンが出席した。 本作は1950年にブロードウェイで初演され大評判となり、1200回のロングラン公演を記録してトニー賞では8部門受賞の栄誉に輝いた。2組のカップルが喧嘩したりすれ違ったり気持ちを確かめ合ったりと人間模様が描かれており、日本でも度々上演されてきた人気の高い名作ミュージカルだ。 囲み取材では出演者らが作品への思いを語った。 ミュージカル『ガイズ&ドールズ』 天才ギャンブラースカイ役を演じる井上は「この時期にアメリカの演出家を迎えて新しいガイズ&ドールズを作れるのは本当に貴重な経験。演出のマイケル含め舞台美術デザイナーのデイン・ラフリー、振付家のエイマン・フォーリーまでも来日してブロードウェイの舞台を見ているような出来上がりになった。もしこれが最後の舞台になっても満足なくらい」とコメント。ゲネプロ時点で既に舞台で起こる変化まで楽むような余裕を見せ、包容力のある大人の色気を感じさせる。 スカイのギャンブル仲間ネイサン役の浦井は「このカンパニーならではの2022年版がここからスタートするなという実感。ギャンブラーチームで家族のような温かさを作りたい。あと望海さんとどれだけふざけられるか挑戦し舞台のスパイスになれたら。」と意気込む。 劇中にギャンブラーたちがクラップゲームに熱中するナンバーがあるが、いつもつるんでいる仲間内での空気感には家族のようなホーム感があり盛り上がりを見せていた。《♪俺のレディ・ラック(幸運の女神よ)Luck Be a Lady》 ミュージカル『ガイズ&ドールズ』 お堅い救世軍軍曹サラ役の明日海は「華やかなナンバーがギュッと詰め込まれていてその世界に生きることが出来て特別な魔法にかかったような幸福感がある。何度も作って壊して積み上げた世界がようやく世に放たれるのだなと。お客様との空間を精一杯素敵な時間にできたら。」と語る。特にハバナの場面は全身で思い切り楽しんでおり、サラの生き生きとした姿が印象的だ。 ネイサンの婚約者で踊り子のアデレイド役、望海は「カンパニーの一員になれたことがすごく幸せ。さらに進化していく過程を千穐楽まで楽しんでいきたい。」とコメント。アデレイド役は衣装替えやナンバーが多く、大熱唱のナンバーでは拍手が沸き上がる。ネイサン(浦井)との痴話喧嘩やアドリブも見どころだ。 ミュージカル『ガイズ&ドールズ』囲み取材 今回の2022年版を演出したマイケル・アーデンは、「70年以上前に作られた作品だが当時描かれた人間模様は今も変わっていない。それぞれの人間がどのように関わりお互いどのように譲り合い寄り添っていくかという大切な過程を見てもらいたい。芸術に対して誠心誠意向き合う出演者の姿を見ることができて幸せ、素晴らしいパフォーマーたちを見てもらいたい。」とカンパニーへの期待感を高める。 宝塚退団後初の共演となる明日海と望海。男役同士だった2人が、今度は女性同士として演じる。2人の共演シーンは「意識しすぎず自然体で出来た、音楽学校に戻ったような懐かしい感覚」だと明かし、女性陣のパワーが発散されている力強いナンバーに仕上がっている。 《♪「結婚しよう、彼と」Marry The Man Today》 浦井は井上のカンパニーへの気遣いを話に挙げ座長ぶりを讃えたが、取材中も記者へのジョークを交えた回答や共演者を盛り上げる合いの手などから、その”座長ぶり”が伺えた。取材の様子からも終始カンパニーの仲の良さが伝わるが、井上や浦井筆頭にガッと役を作りこんでいく様子に共演者が付いていく形だったようで、その関係は決して馴れ合うことなく一生懸命やるべきことに取り組む締まった空気感だったと語る。 ミュージカル『ガイズ&ドールズ』囲み取材 出演者が揃って本作に出演出来ることへの喜びを語っており、この作品の偉大さや今回の2022年版演出への思い、またこのご時世に無事開幕することへの緊張感、高揚感が伝わる初日会見だった。 初日が明け数日。その熱のこもった思いは日々ブラッシュアップが行われ舞台に反映されているように思う。ようやく”世に放たれた”ガイズ&ドールズの世界。 千穐楽を迎える日までより多くの人に届くことを願う。 公演の詳細は公式サイトで。 https://www.tohostage.com/guys_and_dolls/ (写真提供 東宝演劇部、 囲み取材の写真撮影・文 真来こはる)