チームTartaglia 出演者インタビュー 『非対面芝居』がさらに進化! 濃密な会話サスペンス リモート取材の裏に隠された17年前の未解決事件。衝撃のラストは必見! お座敷コブラ『TRIANGLE』2022年11月30日から溝ノ口劇場で上演
お座敷コブラ『TRIANGLE』 お座敷コブラ『TRIANGLE』が11月30日から溝ノ口劇場で上演。ダブルチーム制で上演される本作の[Team Tartaglia]の3名に、現在の心境を聞いた。 2022年11月30日より開幕する、お座敷コブラ14畳目公演『TRIANGLE』 コロナ禍における関係者の接触を減らすために、稽古の大半はリモートで行い、また対面稽古も3時間以内に収めるなどしながら、開幕直前まで漕ぎ着けた。 Team Tartagliaとして出演する、かとう唯、梶原航、今村美歩。3名のキャストに、今の心境を聞いた。 ―― まず、今回の脚本をはじめて読んだときの感想をお聞かせください。 かとう 率直に言うと『やばい、これは私にできるのか…』でしたね。というのも、今まで、少女や少年、そして気弱な役が多かったんです。 しかしそれ以上に、ページをめくる度、前のめりになってしまう程ストーリーの展開に引き込まれていく自分がいました。この感覚を、お客さまにも感じてもらえたなぁと思いました。あと、リモートインタビューでの会話劇というのも、かなりタイムリーなので『うわぁ〜こういうリモートあるあるすごく分かる!』と親近感の持てる設定でしたね。 かとう唯 梶原 僕は新しい台本を受け取ったら、とにかく集中して「えいや!」と初めから終わりまで一気に読むことを心掛けています。このときの印象が、芝居を作っていく上で最後まで道標になることが多いので。 ただ、今回の『TRIANGLE』は、一気に読み進めることが出来ず何度も立ち止まり、目の前の「謎」を追いかけては「あれれ??」とページを戻し、何度も、何度ももぐもぐしながら読み終えました。公式HPのあらすじにも「和やかなインタビュー」とありますが、その一番深いところに流れる人間の尋常ではない思いに、その思いに辿り着く果てし無い道程に、ズキズキするような演じる覚悟を求められました。 今村 読み終わった瞬間に文字が台本から浮き出て、ひとつひとつの台詞が頭や身体をぐるぐると取り囲むような感覚を覚えました。 そして1シーンごとに1回読んだだけでも映画のフィルムのように映像となってわたしの周りに飛び出てきて、水のなかで浮きながらもたまに口の中に水が入ってきて、呼吸が苦しくなる、そのようなとても繊細な印象を受けました。 ―― 謎が多い脚本のため、明らかにできることは少ないかもしれませんが、それぞれ、このTRIANGLEの役を演じる上で気を付けていることはありますか? 梶原 行動と責任、そして覚悟です。「やったなら最後までやりましょう」 「どんなことが起こっても受け止める心の準備をしましょう」 上川大也という役の中核にある「覚悟」に、僕自身が押しつぶされないようにしっかり受け止めていきます。軽いユーモアがガス抜きになっていた稽古序盤を経て、演出家・伊藤裕一に方向を諭され、狂うことなく一人の人間として誠実さを持って、全てを受け入れていくことを決意しています。 そして作家である上川の語彙力!扱う名詞や助詞がとても豊富ですので、その一つ一つを大切にしっかり紡いでいきます。 梶原航 今村 ぜったいに、考えること、想像することをやめないようにしてます。 センシティブな内容で、とても難しい役だからこそ、なるべく役に近づき、嘘のないようにわたしが過ごすなかでの人との会話や自分が見た映画、それこそYouTubeなどを見ているなかでも脳の片隅には役の思考をしっかり置き続けて、敏感になって、役へのヒントをもらうようにしてます。 限界を決めず、作品、役、伊藤さん、梶原さん、かとうさんを信じ抜き、苦しみ続けた先になにかきっと掴めると思っています。 かとう 会話劇なので、本当にそこに存在しているような、会話がその場で繰り広げられているようなナチュラルさを大事にしたい!と思って挑んでいます。 そしてわたしの演じる役は、会話しながらも常に頭の片隅には何かがあるんですね。そのことを表現するのってすごく難しいんですが、演出の伊藤裕一さんが『稽古しながら今日の夜ご飯、何にしようかなって思う感じ』と仰っていて。意味は違っても、このシーンはこんな感じっていう例えがいつも個人的に共感度150パーセントだったので伊藤さんの演出は非常に楽しかったです。それをうまく活用していきたいなと思っています。 ―― 開幕直前。今の意気込みを教えてください。 今村 この3人でしか作りえない空気や言葉の温度、嘘のない呼吸で作品を優しく鋭く纏われるように、どんなに苦しくなっても支え合い、ギュッと手を繋ぎあって最後までもがきたいと思います。 かとう まだまだコロナ禍ですが、とにかくみんなで幕を開けて、無事に両チーム全員で完走したいです。 そして、エンタメは生で観て、感じることが1番だと思っています。小劇場だからこそ伝えられるものを存分に発揮して、『何か凄いもんを観たな』と持ち帰っていただけるよう、精一杯、頑張りたいです。 梶原 僕たちが物語を築き上げていくに従って、その向こうに存在する目を背けたくなるような「現実」がより鮮明に見えてきました。コロナ禍で他者との交流を分断されるような経験を乗り越えた僕たちは、また、いま目の前にいる誰かを思い、認め、互いに「ここに生きているんだ」と助け合うことの可能性を感じています。そして、このメンバーでしか作れなかった奇妙な絆が、舞台上に存在の証明としてあらわれます! ―― それでは最後に、お客様へのメッセージをお願いします。 今村 ここまでわたくしの文章を読んでくださり、誠にありがとうございます。 もしかしたら、喉に石が詰まったように苦しくなる瞬間もあるかもしれないけれど、誰かが誰かを想う美しい瞬間に出会い、貴方の想像がグッと広がるかも、しれないので、もしこれを読んで興味が湧きましたら、是非いらしてください。 今村美歩 梶原 一人ぼっちの点と点が出会って、線になって、また手を伸ばし合って、新たな点と三角形になって、やっと立ち上がることが出来るように。そんな思いを胸に作品作りをしています。もし物語の結末が三種類あるとしたら、幸せ、悲しみ、あと一つは何と名づけるでしょう。観終わったあとに、たくさん考えられるような作品に仕上がっています。 劇場でお待ちしております、どうぞご期待ください。 かとう 舞台TRIANGLEは、セットや音楽にも沢山の仕掛けがあります。それを、ぜひ劇場で体感していただきたいです。溝の口駅から徒歩4分!お待ちしております。