古田新太・阿部サダヲ・浜中文一・西野七瀬・木野花などが登壇 Yellow⚡️新感線『月影花之丞大逆転』製作発表レポート
Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表より 撮影:田中亜紀 劇団☆新感線の新作舞台 Yellow⚡️新感線『月影花之丞大逆転』の製作発表が行われ、作の中島かずき、演出のいのうえひでのり、出演の古田新太、阿部サダヲ、浜中文一、西野七瀬、木野花が登壇した。 劇団☆新感線の公演は通常、出演者・スタッフ合わせ100人規模のカンパニーで作品を創り上げられている。 このコロナ禍での劇団公演について日々模索する中で、“デキない”ことを悩むのではなく、「密にならない、短い上演時間で、新感線らしい、観たお客様が元気になる作品」を創るべく、名付けて“Yellow⚡新感線”として発進する。 見た人は幸福になるとも言われているJR新感線の点検や診断を行う黄色い新幹線「ドクター・イエロー」が“Yellow⚡新感線”の命名の由来。 今回上演される舞台『月影花之丞大逆転』は、2003年の『花の紅天狗(くれないてんぐ)』(初演・1996年)のスピンオフ作品。かつて木野花が演じた爆発的なテンションの月影花之丞が再び登場し、楽しくスカッと元気になる新感線らしい笑いにあふれる作品になるという。 『花の紅天狗』(2003年)DVDはこちら 作は中島かずき、演出はいのうえひでのり。 主演は劇団の看板俳優・古田新太。共演に、本作が劇団☆新感線には5度目の出演となる阿部サダヲ、初参加の浜中文一、西野七瀬というフレッシュな二人に加えて、劇団員からは河野まさと、村木よし子、山本カナコ、中谷さとみ、保坂エマ、さらに安定の村木仁。そして月影花之丞はもちろん木野花が演じる。 本作の製作発表が行われ、作の中島かずき、演出のいのうえひでのり、出演の古田新太、阿部サダヲ、浜中文一、西野七瀬、木野花が登壇し、意気込みを語った。 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 木野花 撮影:田中亜紀 本作がいわゆる劇団ものであることをイメージして、まずは古田新太、阿部サダヲ、浜中文一、西野七瀬が赤いジャージ+劇団Tシャツという衣装で登壇。続いて木野花が、自身が演じる月影花之丞の衣装で派手な照明に合わせて登壇すると、劇団員を演じる古田たちが笑顔で迎え入れるという演出で会見が始まった。 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 中島かずき 撮影:田中亜紀 作・中島かずき 『この作品は18年前にやった「花の紅天狗」とストーリー的にはなんの関係もない。言ってみれば月影花之丞シリーズの第二弾ということです。だから「花の紅天狗」を観ていなくても楽しめるものになっています。去年の夏にプロデューサーの細川から10人くらいにしたいと言われ、木野さんもいることだから月影花之丞の復活がいいんじゃないかと思いました。何年か前から温めていたアイデアがありまして、このシリーズならそれが使えるなと思って書きました。書いている分には非常に楽しかったです。 月影花之丞を書く時はいつもなんですけど、この手の上に木野さんがいて、「こう言うのよ」と言われて書くんです。もう木野さんのセミドキュメンタリーです。高田聖子が「木野さんはこんなに面白い演出をするんだよ」とゲラゲラ笑いながら言ってて「それはいつか芝居にしたいね」と言って書いたのが「花の紅天狗」ですので。 今回は新感線のこっち側サイドのやつということで、楽しく書けたと思います。』 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 いのうえひでのり 撮影:田中亜紀 演出・いのうえひでのり 『この時期に明るく笑い飛ばせる舞台は月影花之丞しかないんじゃないかと。18年ぶりに木野さんを前にして稽古しているんですけど、ホントに18年経ったのかというくらい全然変わらない楽しい稽古場で面白い芝居になるんじゃないかと思います。正確にはミュージカルじゃないんですけど、無理やりミュージカルなところがありますので、それも楽しんで頂けたら。 (ポスターのビジュアルについて聞かれて)これは、劇団月影花之丞で上演されたであろう、もしくは上演するであろうというキャラクターを出しているんです。だからこんな人たちが本編に出るかどうかはわからない、ということなんです。』 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 古田新太 撮影:田中亜紀 古田新太 『今、稽古中なんですけども、何が面白いのかまだわからない状態です。混沌とした稽古場なので、実は稽古場を見せるのが一番面白いんじゃないかと思います。木野先生が全く段取りを覚えられないし、全然違うことを言い出すんですよ。僕は「じいじ」って役なんですけど、「じいじ」のことを「ばあば」って言ったりするんですよ。そんな面白いことを稽古場でされたら本番勿体無いなって。木野さん、どういうつもりなんですか? 俺たちを楽しませようとしてるんですか?』 木野花 『月影花之丞をやろうとすると木野花が崩壊していく感じなの。』 古田新太 『違う違う。木野花がそうなんだって。稽古場を撮ってTikTokとかで流したらいいんじゃないかな。』 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 阿部サダヲ 撮影:田中亜紀 阿部サダヲ 『こういう笑いに特化した舞台をやれるっていうのはすごく嬉しいですね。稽古場でも古田さんと木野さんの掛け合いがとても楽しくて。木野さんが動きでテンパっていらっしゃる時にたまたま稽古場の近くに救急車が来たんです。そしたら古田さんが『迎えに来たよ』って言って。一番楽しかったあれが。あと木野さんが『力技』っていうせりふを『太っ腹』って変えていらっしゃって。』 木野花 『変えてないの。出てきちゃったのよ』 阿部サダヲ 『そうなんですか。木野さんとは初めてで、木野さんは先生っていうイメージがあって完璧なせりふと動きをできる方というか。台本をコソっとのぞいたらすごくビッシリ書き込みがしてあって、すごくちゃんとした方なんだなと思ってたんですけど、休憩時間が終わった時に「おトイレ」とか言って行っちゃったりするんです。それを見た古田さんから「自由!」っていうツッコミが入るんで、今楽しいです。』 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 浜中文一 撮影:田中亜紀 浜中文一 『初めての新感線ということで、楽しくやらせて頂いています。個人的にはドラマ・木更津キャッツアイでの古田さんと阿部さんの役がすごく印象に残っていて、このお二人と舞台に出られるのがとても嬉しいと思っています。 新感線は動くからキツイといろんな人から聞いてたんですけど、僕はそんなに動いてなくて。むしろ古田さんと阿部さんの方が動いていて申し訳ない気持ちです。』 いのうえひでのり 『浜中くんは「50Shades!~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~」というお芝居に出ていて、お金持ちの変態の役だったんですが、それがもう驚くほどに素晴らしくて。清潔感のある変態がすごくハマってたんですね。彼はこういう人なんじゃないかと思ってたけど、新派とかいろんな舞台に出てて、観るたびに印象が変わるので演技スキルが高いのではないかと。今回の彼の役は古田と阿部ちゃんの間で翻弄されるような役なんですが楽しみですね。』 古田新太 『ブンは普通に芝居が上手いです。これからいらないアドバイスをいろいろしていこうと思います。こんな綺麗な顔してるけど、たぶん変態だと思います。』 阿部サダヲ 『変態? まだ机舐めたりとかしてないですもんね。』 浜中文一 『机は舐めないです! さすがに変態でも机は舐めないです!』 阿部サダヲ 『役によっては?』 浜中文一 『そうです。仕事でだったら。 (今回の挑戦について聞かれて)立ち回りが挑戦かなと思ってたんですけど、あまり無かったんです。初めてツッコミ役なので、面白くできるようにやりたいなと思います。』 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 西野七瀬 撮影:田中亜紀 西野七瀬 『舞台に出るのが初めてなので、舞台の稽古がどういうものなのか未知の世界だったんですけども、楽しくて居心地のいい場所だなって、昨日くらいに思いました。稽古初日は誰の目も見られなくてガチガチに緊張してたんですけど、昨日の稽古でようやく慣れてきました。本番までの一ヶ月ほどでさらに馴染めるように、楽しんで行けたらいいなと思います。 (劇団☆新感線のお芝居の印象は?)声が大きい。古田さんやいのうえさんに「もっと声はった方がいいよ」って言われました。』 木野花 『(本作が初舞台ということについて)幸運なんじゃないかな。ここを体験すると、大抵の舞台は大丈夫なんじゃないかな。まだ私から観るともまれてはいないと思うので、ここからもっと欲を持って行けば、もっと楽しくなるんじゃないかなと思って、期待して見ています。』 古田新太 『なぁちゃんは初めてだから緊張してんだろうなと思ってます。とりあえず大きい声を出しとけばいいから。昨日劇団員でみんなで動くシーンがあって、その時なぁちゃんがすごい楽しそうだったのね。それは良いことだなと。』 西野七瀬 『はい。楽しくなってきました。みなさん安心感がすごくあって、頼れる先輩方という感じなので、末っ子的ポジションとしてすごく楽しいです。 (ビジュアルについて質問されて)このビジュアルが解禁された時、たくさん連絡がきて、すごいね、可愛いねって言ってもらえて、「なら、良かった」って思いました。「これで本番も出るの?」って聞かれるんですけど、「それはまだ言えない」って言ってます。』 Yellow新感線『月影花之丞大逆転』製作発表 木野花 撮影:田中亜紀 木野花 『全編に笑いがある喜劇で、歌があって踊りがあるんですけど、「演劇愛」が意外と根底にあって。あとは劇団の力。新感線の劇団員がちゃんと出て、客演の方は新人として入ってくるので、そう言うところはとってもリアルで、劇団の中でみんながいろんなことを抱えながら、まあバカなことをしてるっていう。面白いんだけど、時々自分の言うせりふが「深いなこれ」って思ったりしながらやってます。 ネタが古かったり昭和な匂いがするんだけど、それこそホントに花之丞の言う「命がけ」で、この馬鹿馬鹿しい芝居を本気出してやったら、なんかいい芝居になるんじゃないかなって思います。私がいかにいのうえさんの段取りを自分のものにして舞台に乗れるかだなって思っています。』 公演の詳細はYellow⚡新感線『月影花之丞大逆転』公式サイトで。 http://www.vi-shinkansen.co.jp/yellow/ (文:エントレ編集部)