『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』

18年間の集大成!Snow Man主演・演出の舞台『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』観劇レビュー

『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』
『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』
 

18年間の集大成!Snow Man主演・演出の舞台「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」観劇レビュー。

 
 これぞ「ジャニーズ・エンターテインメント!」。思わずそう叫びたくなるのは、きっと私だけではないはず。Snow Manが主演と演出を務める舞台「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」。その原点である「滝沢歌舞伎」は、2006年に滝沢秀明さん主演で「滝沢演舞場」として誕生し、2019年からは「滝沢歌舞伎ZERO」の名でSnow Manに受け継がれました。私は学生時代に一度「滝沢演舞場」を観劇したことがあるのですが、初めて「腹筋太鼓」を観た時の衝撃は忘れられません。

開幕から桜が舞う中を華麗に舞い、迫力ある殺陣やアクロバット、合間に「笑い」もはさみつつ、終盤では大量の水を浴び、びしょ濡れになりながら五条大橋がクルクルと回転し、怒涛のクライマックス!
まるでおもちゃ箱のような本作ですが、その中でも私が観劇して特に印象に残った見どころを厳選し、ギュギュッと絞ってご紹介します。

 

圧巻の桜吹雪の中で舞う「♪ひらりと桜」に、目も心も奪われる

Snow Manのリーダーである岩本さんの「春の踊りはよぉいやさー」で幕を開ける本作。最初の一曲目「♪ひらりと桜」は、この舞台を象徴する楽曲であり、ファンの方にとっても思い入れのある一曲です。舞台上から大量の桜吹雪が舞う中、ピンクを基調とした衣装で華麗に歌って舞うSnow Manの面々に、「これから始まるんだ!」という期待と高揚感があふれ、一瞬で目も心も奪われました。この時点で、感動のあまり思わず涙が出た私です(苦笑)。

 

見ている方もなぜかお腹に力が入る、伝統の腹筋太鼓

さて、「滝沢歌舞伎」の名物であり、代名詞ともいえる伝統の「腹筋太鼓」は、もちろん今回も健在です。上半身裸の「漢」たちが、腹筋に負担がかかる姿勢で太鼓を打ち鳴らし、一心不乱にバチを叩くパフォーマンスなのですが、太鼓の音がお腹から胸の方に突きあげてくる感覚がして、なぜか私も一緒に腹筋体制でいるような感覚になり、演目中はお腹に力が入りっぱなしでした!

さらに中盤からは、佐久間さん、向井さん、目黒さんが舞台上につるされた「メカ太鼓」を担当し、高速回転しながら乱れ打ち! これで腹筋太鼓も見納めかと思うと残念ですが、演者の皆さんの、魂のこもった太鼓の音は必見・必聴です!

 

「和」を大切にした粋な演出も

『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』
『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』

メンバーそれぞれが出演する「五右衛門ZERO」、「男と女の舞い」、「お七」、「蜘蛛」といった、歴代の「滝沢歌舞伎」で行われてきた演目をオムニバス形式で展開していくのですが、まるでメドレーを見ているよう♪さらに、「四季」や「花鳥風月」といった、ジャニー喜多川氏の愛した日本文化を大切にした演目が続き「和」の要素を大切にした粋な演出が随所に組み込まれています。

終盤で登場する「♪With Love」は出演者全員で歌唱するのですが、振り付けに手話を取り入れていて、先日放送されたドラマの役でも話題になった目黒さんが、特にひとつひとつの動作に感情を込められていたのが印象的でした。そしてラストの楽曲「♪LOVE」で幕が下ります。

上演中の約110分間、常に誰かがどこかで何かをやっていて、そのひとつひとつがとんでもないことをしているので、観ているこちらも「いつ、どこでどんなことが起きるのか分からない!」という緊張と興奮でいっぱいでした。

 

グループとして、個人としての成長を著しく感じた「FINAL」

『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』
『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』

終演後の帰り道に改めて思ったのは、Snow Manのポテンシャルと能力の高さ。それぞれがメインとなる種目ではきっちりと個々の個性を打ち出し、9人全員で行うシーンでは息の合ったパフォーマンスを見せていて、それぞれの「色」とグループとしての一体感、結束力を強く感じることができるのも「滝沢歌舞伎」ならではだなと感じました。

また、「滝沢歌舞伎」は「Snow Man」というグループ名が誕生した場所であり、本人たちにとってもファンにとっても大切な作品。先輩である滝沢さんからバトンを引き継ぎ、作品と主演の座を背負った責任とプレッシャーは想像に難くないですが、主演を務めたこの5年間で培った経験が、グループとして個人としての力となり、その成長を強く感じました。

 
また、これは私の個人的なことですが、今の仕事(インタビューライター)を志したのは、中学生の時に、あるジャニーズの舞台を観たことがきっかけのひとつでした。その時「こんなにキラキラとした世界で輝いている人たちがいるんだ!」ということに衝撃を受け「生のお芝居や役者さんたちからパワーをもらえる喜び」や「演者の人たちの熱い思いを知り、伝えたい」と思うようになりました。
その後、紆余曲折ありましたが、今の仕事につけたものの、思うようにいかなかったり、うまくいかなかったりすることが多く、何度も「もう諦めたほうがいいのかも」と思うのですが、今回の「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」を観て、その時の気持ちを改めて思い出すことができました。

本作は、4月30日まで新橋演舞場で上演中。タイトルにもあるように、「滝沢歌舞伎」は惜しくも今回でFINALを迎えますが、19日から30日まではライブビューイングも行うそうなので、生の舞台は観に行くことができない方は、ぜひそちらで、彼らがライフワークとして取り組んできた舞台の集大成を目に焼き付けてください!

詳細は公式サイトで!
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/takizawakabuki_zero_final/
 

このレビューを書いたのは

(撮影:真来こはる 文:根津香菜子)

 

公演情報

『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』

【Eternal Producer】ジャニー喜多川
【演出】Snow Man

【キャスト】
Snow Man:岩本照、深澤辰哉、ラウール、渡辺翔太、向井康二、阿部亮平、目黒蓮、宮舘涼太、佐久間大介
SpeciaL/ジャニーズJr.:林蓮音、松尾龍、和田優希、中村浩大
少年忍者/ジャニーズJr.:ヴァサイェガ渉、内村颯太、豊田陸人、長瀬結星

2023年4月8日(土)~4月30日(日)/東京・新橋演舞場

 
公式サイト
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/takizawakabuki_zero_final/

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