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えやみ 稽古場より

【特集】スペイン風邪を題材に夫婦の純愛を描くオンライン公演『えやみ~疫病に襲われた村の悲劇』6月17日、18日にYoutubeライブで無料配信

左から かとうしんご、遊佐澄花   6月17日(水)、18日(木)にYoutubeライブで無料配信される舞台『えやみ』の作・演出の あいはらひろゆきと、出演者の遊佐澄花、德岡明、かとうしんごにインタビュー取材した。   『えやみ』は、くまのがっこうなどで知られる絵本作家・あいはらひろゆきが作・演出する演劇作品。 6月17日(水)、18日(木)に渋谷・宮益坂十間スタジオで無観客で上演し、その模様をYoutubeライブで無料配信する。 出演は德岡明(Wキャスト)、遊佐澄花(Wキャスト)、かとうしんご等に加え、作者のあいはらひろゆきも出演する。   今回エントレでは、作・演出のあいはらひろゆき、主人公・セツコ役をWキャストで演じる德岡明、遊佐澄花と、ヨシオを演じるかとうしんごにビデオ会議システムzoomを使ってインタビュー取材した。  

『えやみ』Youtubeライブでの上演に至った経緯を教えてください。
えやみ 稽古場より 左から 遊佐澄花、かとうしんご、德岡明   德岡「この新型コロナウイルスが拡大している状況下で、演劇業界も大打撃を受けています。前に出て行くことができないこの状況下で、作・演出のあいはらさんが何かできることはないかと考えて今回Youtubeライブで公演をしてみようということになりました。」 あいはら「スタジオにお客さんを入れない状態で上演しますが、むしろインターネットを通じてたくさんの人たちに伝えていくというアプローチです。若い役者さんたちが集まってくれたので、逆にこういう時期だからトライしていきたいと思っています。」  
無料公演にした意図を教えてください。
えやみ 稽古場より 左から かとうしんご、德岡明 あいはら「こういう時期だからお互いに支え合うという部分だったり、同じ考え方を共有したいという思いがあるんです。なのでビジネスというよりは、たくさんの人に見てもらった方がいいのではないかと思って無料にしました。」  
本作『えやみ』はどんなお話ですか?
『えやみ』メインビジュアル 『えやみ』メインビジュアル 遊佐「約100年前に実際に起こった《スペイン風邪》を題材にした作品です。それが今回の新型コロナウイルス感染症にすごく似ているし、重なる部分が多いんです。本作ではみなさんが今苦しいと思っていることがたくさん描かれているので、見てくださったお客様はいろんな複雑な思いを抱えることになると思います。」 かとう「そうですね。現在の状況と台本の中での状況がリンクする部分が多くて、台本を読んでいて二重で苦しいという感覚があります。」 德岡「確かに。でも私たちの現実生活も苦しいこと辛いことだけじゃないように、この作品の登場人物たちも明るい要素や希望がそれぞれにあると思います。」  
画面を通して演劇するという難しさは?
『えやみ』稽古場より 左から 遊佐澄花、かとうしんご 遊佐「お芝居をする場を考えたとき、最初に「映画やドラマなどの映像作品」と「舞台・演劇」に大きく2つに分かれると思うんです。今回は映像として流すけど、映画やドラマと違ってカット割りはなく、あくまでも舞台を映像として観ていただくという考え方なんです。お客様が観るのは映像だということは心に置きつつも、やることは演劇作りと変わらないですし、お客様に伝わるものを全力で作って行きたいと思っています。」 德岡「私も映像を通して演劇をするということは初めてなので、どうなるのかわからない部分は多くて緊張しています。映像ですけど、その中に演劇的な要素をたくさん詰め込みたいですね。」 かとう「これから稽古をして行くと苦労するだろうな・・・、と今から思っています。舞台って生で観てもらえるから熱量が伝わるわけですが、画面越しだとその熱量が弱まっちゃうと思うんです。お客さんの呼吸を僕たちも感じることができないですし。 画面を通してお客さんに伝えていく工夫はこれから稽古の中でたくさんトライ&エラーを繰り返して見つけて行けるようにしたいと思っています。」  
ちなみにカメラは一台で撮る予定ですか?
『えやみ』稽古場より 德岡明 あいはら「カメラ1台で全体を撮るというだけでは、かとうさんがおっしゃったように熱量が伝えづらいのかなと思っています。 なのでカメラは2台にして、1台は全体を固定で撮影、もう1台はヨリで役者を追うという形にすると思います。2画面にするか、スイッチングした1つの映像にするかは現場で撮影してみて考えたいと思います。いろんなアプローチがあると思うので、どういう見せ方が一番演劇の良さを伝えられるのか、探って行きたいと思います。」  
逆にYoutubeライブならではの良さはありそうでしょうか?
『えやみ』稽古場より かとうしんご 遊佐「私はこれに出演することを発表したときに、いつも遠征してくださっているファンの方が喜んでくださいました。テレビではこれまでの再放送をすることが多くなっていますが、新しく作ったものが自宅でも観られるというのもいいと思います。」 德岡「そうですね。観劇自体が好きな方にはつらい時期だと思うので手軽にお芝居が観られるのはいいなと思います。」 かとう「お笑い芸人さんがライブをYoutube配信されていて それを観ていたんですけど、やはり《生配信》は《撮っておいたものを流す》のとは違うんです! 映像としては同じものを観ているのかもしれないですが、やはり同じ時間を共有しているというのが大事なのかなと思いました。 また、舞台に触れたことがない人も気軽に観てみられると思うので、今度劇場に行ってみようとなるきっかけになったら嬉しいですね。」  
本作を楽しみにされている方へ一言お願いします。
遊佐「このような時期に手元に台本があるということが嬉しくて、状況に戸惑いつつも私はすごく前向きな気持ちになっています。私たちもそうですが、みなさんも複雑な思いがあると思います。この公演をやること自体が、また観客の皆さんがこの公演を観ること自体がひとつの希望となればいいなと思っています。頑張って参りますので是非ご覧ください。」 德岡「最初この台本を頂いて読んだ時に、この時期にこの題材でお芝居をするのはタイムリーであり、なんてチャレンジャーなんだろう!って思いました。今の私たちにとって心に留めておいた方がいいような言葉やシーンがたくさん詰め込まれていると思うんです。是非今の時期だからこそ、たくさんの人に観て頂きたいなと思います。」 かとう「元気をもらえると思います。というのは、娘役の上田真凛ちゃんって子がいるんです。なんでしょう、この汚れてない感じというか・・・。」   『えやみ』稽古場より 左から上田真凛、かとうしんご 遊佐「まるでなんか私たちが汚れているような発言!」 あいはら「キケンな発言しましたね・・・。」 かとう「なんていうか、子供の純粋な瞳、演技って元気をもらえると思うんです! それを観ていると頑張んなきゃなって僕は思うんです。大人は陰鬱な気持ちになりがちな状況ですが、子供の遠慮のないパワーから元気をもらえるんじゃないかと思うんです。今の時点ではzoomで稽古していて共演者の誰とも会えてないんですけど、早く上田真凛ちゃんに会いたいです。」 遊佐「すいませんでしたね、私たちで!」 あいはら「この作品、きっと暗い印象があるかと思いますが、僕はヨシオとセツコの純愛物語だと思っています。非常に追い詰められた厳しい状況の中だからこそ2人の深くて強い絆がより明確になっていく。世の中にはいろんな人間がいますけれども、まだ捨てたもんじゃない、こういう状況下でも魅力的だと思える人達を描いたつもりでいますので、そこに希望を感じて頂けたらと思います。」
  本作は6月17日(水)、18日(木)に上演・Youtubeライブで配信される。 YoutubeのURLはこちら。 https://www.youtube.com/user/hirokana624   公式予告編動画はこちら   (文:森脇孝/エントレ)  
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公演情報
緊急オンライン公演『えやみ~疫病に襲われた村の悲劇』 【作・演出】あいはらひろゆき 【企画】ちゅうがんじたかむ 【出演】 セツコ 德岡明、遊佐澄花 ヨシオ かとうしんご ヨーコ 上田真凛 出前屋 尾野綾美 新聞記者 内田彩菜 村長 堀内俊哉 老人 関口靖晃 日向棚美千代 あいはらひろゆき 【日程】 2020年6月17日(水) 15:00、19:00 2020年6月18日(木) 15:00、19:00 各回 YouTubeライブにてオンライン無料配信 https://www.youtube.com/user/hirokana624 公式Twitter えやみ公式ツイッター [dfads params=’groups=1569&limit=1&orderby=random’]
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