来ました!まさしくサスペンス・コメディ!大地真央×森公美子 舞台「一人二役」観劇レビュー
来ました!まさしくサスペンス・コメディ!大地真央×森公美子 舞台「一人二役」観劇レビュー
今回のタイトル『一人二役』と聞いて【1粒で2度おいしい】というグリコのキャッチフレーズが頭を過りましたが、1人で2人分の人生を体験することが“おいしい”と思えるのは役者(舞台上)に限ってのことだよなぁ…とボンヤリ思いました。てことで、今回のレビュー担当は劇団☆骸骨ストリッパー かみざとです!
か、かわいい!
サスペンス・コメディというジャンルをこれまでに観たことがなく、思い返してみたときに浮かび上がったのが、10年以上前に観た三谷幸喜作『ヴァンプショウ』(正しくはホラー・コメディ)。そして今回の演出をされている福島三郎さんは、かつて三谷さんの劇団・東京サンシャインボーイズ出身ってことで “縁”を感じました。
『ヴァンプショウ』はゴシックなアンダーグラウンドな世界観という印象があったのですが、『一人二役』の世界観は上質なパリ。幕開けから姿を見せた豪邸は、オープニング曲と相まって優雅な気持ちにさせられました。
が! 冒頭に登場する家政婦役の森公美子さんの存在に思わず笑ってしまいました。森クミさんて……小さいんですね(笑) 考えたら今までTVでしか拝見したことなかったので、予想外の小ささに失礼ながら癒されました。かわいかった!
次いで登場した主人公の大地真央さん。世間知らずでおしとやかな雰囲気。実はこの時もかなりの衝撃を受けてました。……か、かわいい!(本日2回目) 1つ1つの仕草や立ち振る舞いがとってもキレイで釘づけ。失礼なこと続きになってしまいますが、思わず休憩時間にネットで年齢調べちゃうほど(笑)
で、ですよ。こんなにかわいい続きなのにそれを見事にブチ壊してくれる夫役の益岡徹さん。好感度の高い俳優さんなのに、思わず嫌いになっちゃいそうな、嫌なやつ! そう思わせてくれる益岡さんに後でまた高感度上がってましたが、酔っ払いだけどお金持ちさを漂わせる演技に『こういう演技は熟練ならでは!』とニタニタしてました。
開始早々、それぞれの関係性を明確に描き、その間にしっかり伏線も張られて、ストーリー展開がとてもわかりやすい。いつ“サスペンス”が起こるのかと心待ちにしながら、前半のコメディ雰囲気を気軽に楽しんでいました。
まさしくサスペンス・コメディ!
しばらく、ほんわかと観劇していたんですが、なかなか事件が起きません。『もしかしてこのままその要素なく終わるんじゃない? 勘違いしてたかな…』と思い始めた一幕終わりに、ようやく“来ました”。自分が織田裕二さんだったら叫んでますね、“キターーーー!”と。
二幕に入り急な展開をみせます。ここからがまさしくサスペンス・コメディ! 『ヴァンプショウ』の時も思ったんですが、サスペンスとコメディってどっちかというと逆の立ち位置だと思うんですよ。人が死んだことを前提に笑うとか、、、FUJIYAのお菓子ホームパイのハバネロ味のように甘いけど辛いみたいな? こういう時ってヤキモキしません? どっちやねん!と関西弁でツッコミたくなるんです。でも日常で味わえないそんな感覚にお得感をおぼえる自分がいて、そんな自分にまたどっちやねん!とツッコム(笑) 罪悪感を持ったとしても、所詮お芝居だと割り切って楽しんだらいいんですけどね。…くどくど書いてますが、そんな描写はあまりありません(笑)
歌もあります!
個人的には二幕の緊迫感ある展開の方が好みでした。ただ本作はサスペンスなので、細かく書いてしまうと楽しみが減っちゃいます。なので先入観を持たずに、作品に身を委ねて楽しんで下さい。ラストは、モダンテイストな赤川次郎作品を観た後の余韻に近いかなぁ。ちょいとお洒落に、それでいて哀愁感じて…
そうそう、途中で大地真央さんや森公美子さんの歌が聞けます! このサービスにはとてもテンションが上がりました!
本作は10月7日(金)からシアター1010にて開幕。
その後は全国でツアー公演されます!
(文:かみざともりひと)
舞台「一人二役 ~殺したいほどジュテーム~」
【作】ロベール・トマ
【上演台本・演出】福島三郎
【出演】
大地真央 森公美子 益岡徹
山崎一 おかやまはじめ 木津誠之 権藤昌弘
2016年10月7日(金)~10月10日(月・祝)/東京・シアター1010
2016年10月22日(土)~11月8日(火)/東京・シアタークリエ
その他、香川、鳥取、徳島、富山、岩手、大阪、静岡、福島、福岡、福井、愛知、石川、兵庫で上演。